ディズニーの新作映画、「モアナと伝説の海」を観てきました。
以下感想ですが、ネタバレ無しなのでご安心ください。

http://www.disney.co.jp/movie/moana.html

この映画、日本で公開されてるビジュアルだとモアナという女性ひとりしかフォーカスされていないんですけど、
実際はもうひとり「マウイ」という男がいてダブル主人公なんですよ!
ズートピアでいうニックとジュディみたいな関係です。

わりとブ男、デリカシーゼロ、自分大好き、というちょっと変わった主人公のマウイ。
明らかに日本の一般層には受けないキャラなので、日本の市場で宣伝する以上隠されてしまうのは仕方ないのですが、
実際のところ彼が戦う際のアクションシーンが非常にカッコイイのです。

マウイは「神の釣り針」というアイテムを使って様々な動物に自在に変身することができ、
一瞬で様々な動物に移り変わりながら流動的に戦います。
この「変身攻撃」の映像的な迫力がとても良かった。
言葉で説明するよりも観た方がいいのですが、ちょうどいいPVが落ちてないですね……
映像としては海の美麗さも、南国の雰囲気も好きなのですが、個人的にはこの「変身攻撃」がイチオシです。

それともう一つ、女主人公・モアナの物語としても非常に面白かったです。
モアナの持つテーマは「本当は何がしたいか、どんな自分になりたいか?」です。
超シンプルかつ古典的ですが、一つポイントになっていたのが「モアナはとても充足した生活を送っている」こと。
モアナは特に不遇だったり不幸に見舞われて育ったわけではありません。
島の跡取りとして皆に大事にされ、何一つ不自由なく暮らしている。
それでも本当は違うものを求めている。

作品の主題歌にもそんな歌詞がありますね。

環境的に充足していても、心が満足するかどうかはまた別のお話。
モアナに限らず(もっと言えば映画に限らず)職業として作品制作をしている人というのは、大なり小なり「普通の人生」と天秤にかけた上で各々創作家としての人生を選んでいるわけですから、こういったテーマに対してすごく繊細で気持ちを湧きたてる言葉を紡いでくれる印象があります。

本当はやりたいことがあるけど、勇気がなくて今の生活を捨てられない人。
時間があったら一度、映画館に足を運んでみると、ちょっとだけ奮い起こされるかもしれません。
あと海で立ちションしたくなるかもしれません。
そんな映画でした、「モアナ」。